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亡くなった父親の財産から相続人がお寺に寄附したらどうなる??【新潟相続専門税理士ブログ】

Question
この度、父が亡くなりました。遺言書があったわけではないものの、父から生前中に「もしも自分が死んだら、先祖代々お世話になっている〇〇寺へ自分の財産の一部を寄附してほしい」と言われていました。父の生前中の言葉が心に残っていたこともあり、相続人として私が相続した財産の一部を〇〇寺に寄附しました。
お寺へ寄附した財産は、相続税の計算上、どのような取扱いになりますか。

Answer
まず、相続により取得した財産を相続人がお寺(宗教法人)へ寄附しても、非課税財産とはなりません。つまり、寄附額を相続税の課税財産から除くことはできず、相続税の計算対象となってしまいます。
また、寄附した財産は、被相続人(父)の債務でもないので、債務控除の対象にならないため注意が必要です。通常通りの相続税の計算になります。
詳しく見ていきましょう。

実は相続財産のうちには、社会政策や国民の感情、慣習などの理由により相続税の課税財産としないと規定されているものがあります。
税法では下の通り、挙げられていますので参考として載せておきます。

1 皇室経済法の規定によって皇位とともに皇嗣が受けた物
いわゆる『三種の神器』がこれにあたるとされています。
2 墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの
庭内神し、神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像、仏具、古墳等で日常礼拝の用に供しているものも当たります。ただ、商品、骨董品又は投資の対象として所有するものは含まれません。
3 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う者で一定の要件に該当する者が、相続又は遺贈によって取得した財産でその公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの
4 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で一定の条件を備えるものに基づいて支給される給付金を受ける権利
5 相続人が取得した生命保険金のうち、法定相続人1人当たり500万円
いわゆる生命保険の非課税枠になります。
6 相続人が取得した被相続人の退職金、功労金その他これらに準ずる給与のうち、法定相続人1人当たり500万円
こちらも死亡退職金の非課税枠になります。
7 相続又は遺贈によって取得した財産を、その相続税の申告期限までに国若しくは地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人その他公益を目的とする事業を営む法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するところが著しいと認められるものとして政令で定めるものに寄附した場合で、相続税、贈与税の負担が不当に減少する結果とならないと認められるときにおける、その寄附財産

今回の寄附財産が、相続税の非課税財産に当たるかどうかですが、
相続人が父の代わりに、相続により取得した財産をお寺(宗教法人)に寄附したものであって、被相続人が遺贈したものでもないことから、非課税とされる上記3に該当しません。
また、上記7に該当するかについては、寄附の受ける相手方法人が限定されており、宗教法人は含まれておりません。
なので、課税対象となる財産になります。

そして、債務控除の要件となる『相続開始時において確実な債務』には該当しないため、債務控除としても取扱いすることはできません。

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目次

亡くなった父親の財産から相続人がお寺に寄附したらどうなる??【新潟相続専門税理士ブログ】

Question
この度、父が亡くなりました。遺言書があったわけではないものの、父から生前中に「もしも自分が死んだら、先祖代々お世話になっている〇〇寺へ自分の財産の一部を寄附してほしい」と言われていました。父の生前中の言葉が心に残っていたこともあり、相続人として私が相続した財産の一部を〇〇寺に寄附しました。
お寺へ寄附した財産は、相続税の計算上、どのような取扱いになりますか。

Answer
まず、相続により取得した財産を相続人がお寺(宗教法人)へ寄附しても、非課税財産とはなりません。つまり、寄附額を相続税の課税財産から除くことはできず、相続税の計算対象となってしまいます。
また、寄附した財産は、被相続人(父)の債務でもないので、債務控除の対象にならないため注意が必要です。通常通りの相続税の計算になります。

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