生前の係争に係る裁判費用は債務控除の対象になりますか?【新潟相続専門税理士ブログ】
Question
3年ほど前に死亡した甲は、生前自宅の敷地の境界について隣人のAから提訴され係争中でした。
甲が死亡した後は妻である乙が係争を承継し、先日和解が成立しました。
この係争に係り、乙は和解金200万円及び裁判費用120万円を支払っています。
この場合、甲の相続財産である土地をめぐって甲から乙に承継された係争であるため、相続税の課税価額の計算の際にはこれらの費用は控除できることになりますか?
Answer
結論、今回の場合は和解金200万円及び裁判費用120万円を甲の債務として控除することはできません。
相続税法では、相続税の課税価格を計算する際に債務控除の対象となる債務について「相続開始当時に確実と認められる範囲の金額のみ」と定められています。
今回の事例では、乙が支払った和解金や裁判費用は被相続人である甲に原因があったものではありますが、相続が発生した時点でこれらの債務が発生していたかどうか確実ではありません。
そのため、今回の訴訟に係る和解金や裁判費用を、相続税の課税価格の計算上債務として控除することはできません。
今回のような和解金や裁判費用の他にも、相続税法上で債務控除の対象にならないものとして定められているものは様々存在し誤った課税価格で申告をしてしまうと申告のやり直しや、税金を追加で納めなくてはいけないということにもなりかねません。
判断に迷うような事象が発生した場合には、お早めに専門家へご相談ください。
【新潟で相続(相続対策・相続手続き・相続税申告)について相談するなら税理士法人フォーカスクライド(新潟オフィス)までご連絡ください。】
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