遺留分侵害額請求が行われたらどうする?~冷静に対応するための秘訣と対抗策~【新潟相続専門税理士ブログ】
「遺言書があるから安心!」……そう思っていたら、突然やってくるのが遺留分侵害額請求という落とし穴。
「え?遺言書に書かれていたのに、なんでそんな請求が来るの?」と驚いてしまう方も多いでしょう。
相続問題は、ある日突然、予想もしない形でトラブルが発生します。特に遺留分に関するトラブルは、家族間の感情も絡み、複雑化しやすいもの。
今回は、そんな遺留分侵害額請求について、「どんなときに請求されるのか?」「どう対抗すれば良いのか?」を、具体例を交えて分かりやすく、ちょっと面白い視点で解説していきます。
読めば、「あっ、こうすればいいのか!」と納得すること間違いなしです!
遺留分侵害額請求って何?
まずは、「遺留分侵害額請求」という言葉の意味からおさらいしておきましょう。
遺留分とは?
「遺留分」とは、法律で保証された、法定相続人が最低限相続できる権利のことです。
例えば、親が「財産をすべて長男に相続させる」と遺言書に書いても、次男や長女には最低限の取り分が保証されているのです。
つまり、遺言で不公平な配分がされた場合、法定相続人は「自分の取り分を返して!」と主張する権利があります。これが遺留分侵害額請求です。
例えば、父親が亡くなり、遺言書には「全財産を長男に相続させる」と書かれていたとします。
しかし、法定相続人である長女や次男は、「そんなの不公平だ!」と遺留分侵害額請求を行い、長男に対して遺留分相当額の支払いを求めることができます。
遺留分侵害額請求が行われた!その時どうする?
突然、内容証明郵便で遺留分侵害額請求が届いたら、冷静に対処することが何より大切です。
ここでは、遺留分侵害額請求への基本的な対抗策をステップごとに見ていきましょう。
ステップ1:請求の正当性を確認する
まず、請求を受けたら、以下のポイントを確認しましょう。
- 請求者が本当に遺留分を持つ法定相続人なのか?
例えば、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。 - 時効が成立していないか?
相続開始および遺留分侵害を知った日から1年、または相続開始から10年で時効です。
ステップ2:請求額の妥当性をチェック!
遺留分侵害額の計算が正しいかどうかも重要です。
- 遺産の評価額は適正か?
特に不動産が含まれる場合、評価額が高すぎる可能性があります。 - 特別受益が考慮されているか?
請求者が生前に多額の贈与を受けていた場合、その分を減額できることがあります。
ステップ3:専門家に相談する
遺留分侵害額請求は法的に複雑です。弁護士や税理士などの専門家に相談することで、最適な対抗策を立てることができます。
「遺留分の請求額が高すぎる!」「時効が成立しているのでは?」など、プロの目で冷静に判断してもらいましょう。
よくあるトラブル例とその対抗策
ケース1:不動産評価額のトラブル
登場人物:長男・長女・次男
遺言書には「自宅を長男に相続させる」と書かれていました。しかし、長女と次男が遺留分侵害額請求をしたところ、長男は「自宅の評価額が高すぎる」と主張。
対抗策:適正な評価額を提示する
不動産鑑定士に依頼し、正確な市場価値を算出してもらいましょう。
例えば、長女や次男が主張する自宅の評価額が5000万円でも、鑑定の結果4000万円だった場合、その差額を根拠に請求額を減額できます。
ケース2:生前贈与の存在
登場人物:長男・長女
長女が遺留分侵害額請求をしてきたが、実は長女は父親から生前に高額な贈与を受けていたことが判明。
対抗策:特別受益を主張する
生前贈与は「特別受益」として、遺留分の計算に反映させることが可能です。
「長女はすでに生前に贈与を受けているので、その分を考慮すれば遺留分侵害はない」と主張できます。
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遺留分侵害額請求を防ぐ遺言書の書き方
遺留分侵害額請求を未然に防ぐためには、遺言書を作成する段階でしっかりと対策を講じることが大切です。
コツ1:「包括的文言」を加える
遺言書に、「記載した財産以外の一切の財産は〇〇に相続させる」と書いておきましょう。これで、記載漏れの財産もカバーできます。
コツ2:財産目録を作成する
遺言書と一緒に、すべての財産をリスト化した「財産目録」を作成しておきましょう。預貯金、不動産、株式、デジタル資産まで、網羅することが大切です。
コツ3:定期的に見直す
財産は変動します。数年ごとに遺言書を見直し、最新の財産状況に合わせて修正しましょう。
まとめ:冷静な対応が未来を守る!
遺留分侵害額請求は、突然やってきて驚くこともありますが、冷静に対処すれば最悪の事態は避けられます。
- 請求の正当性を確認する
- 請求額の妥当性を精査する
- 専門家に相談する
そして、遺言書を作成する際には、「包括的文言」や「財産目録」をしっかりと準備し、定期的に見直すことが大切です。
遺言書は「万事解決の魔法の杖」ではありません。しっかりと準備と対策をして、相続トラブルを未然に防ぎましょう!
あなたの遺言書、しっかり確認していますか?今一度、見直してみましょう!
遺言がなくても遺産を受け取れる?【新潟相続専門税理士ブログ】
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